お笑い芸人の歴史や特徴
連日のようにテレビなどをにぎわしている「お笑い芸人」ですが、日本の芸能界には無くてはならない存在となっています。
お笑いタレントとも呼ばれ、その種類や傾向は多種多様ですが、どういった歴史や特徴があるのでしょうか。
古くの芸能業界では舞台などで喜劇役者などが活躍していましたが、テレビ放送が親しまれていくにつれて様々なコメディアンなどが登場しました。
1人で芸を行なう場合や(後にピン芸人とも呼ばれる)グループでコントなどをする芸人など、幅広いタイプが人気を博していたとされます。
中でも特に人気が高かったスタイルが「漫才師」で、テレビだけにとどまらず、舞台や演芸場などでも活躍していたのが特徴です。1980年代には社会現象ともなった漫才ブームが到来し、色々な漫才師が注目され、多数のお笑い番組がテレビの中心的存在となった事も見逃せません。
バラエティ番組の人気も高く、多様なお笑い芸人が協力してコントなどを行なうケースなども見受けられ、高視聴率を獲得しています。
なお現代のテレビ番組においてはそのようなコント番組の数は減少し、通常のバラエティ番組内での出演などが多くなっている傾向があります。
本来専門とするカテゴリ(例として落語家や漫才師など)を持つ芸人でも、テレビタレント的な露出が増加していくと「お笑い芸人」と呼ばれていく事もみられます。
このような芸人の人気が一般化していくと、お笑いタレントを養成する専門学校が登場していき、芸人への足がかりとして入校する若者などが増加しました。
1990年代になるとさらに芸人が活躍する場面が増加し、テレビ番組でもお笑い的な役割にとどまらず、コメンテーターや司会者などでも出演するシーンが出てきます。
そして俳優や執筆業など、幅広くマルチにその才能を発揮する芸人が出現してきたのも特徴です。
テレビ番組でネタやボケを披露する事が増えた事
また、クイズ番組の解答者などではいわゆる「ボケ役」として、問題の解答とは程遠い解答で笑いを誘ったりする役割も一般的となっていきました。
1990年代後半からは「ネタ番組」も増加し、それぞれの持ちネタを披露する事に特化した番組が増えていきました。
このような番組ではコントや漫才といった、芸人の醍醐味とも言える部分を発揮する事ができ、ネタの質の良さなどで評価されるケースも見受けられました。
印象的な格好やフレーズなどはブームとなり、一般の方に浸透する事もあり流行語も多数生まれた事も特徴です。
しかしブームが去ってしまうとその現象だけではなく、芸人そのものが人気が無くなってしまう事もあり、いわゆる「一発屋芸人」という呼ばれ方をされる場合もあります。
お笑いタレントや芸人の数々は男性の方が多く存在していた傾向がありましたが、徐々に女性芸人の人数も増加しました。アイドル的な人気を誇る女性芸人も登場し、容姿端麗さを活かして女優業などで活動する者もみられます。
2000年代にはお笑い芸人のネタを披露するコンテストが盛んになった事もあり、お笑いブームとも言われました。
漫才の日本一を決めるコンテストでは、全国でプロやアマチュアを問わずに予選を行ない、優勝者には高額な賞金が進呈され注目を集めました。
大会で優勝した芸人はその後のテレビ出演やメディアの露出が増加し、売れっ子になる要因ともされています。
お笑いコンテストの充実で様々なスタイルが増えた事
これらのコンテストは1人芸を披露するピン芸人の大会や、コントの面白さを競う物なども制作されています。
テレビではゴールデンタイムに放送されるケースが多く、全国的な注目度も高くなっている事が特徴です。
こういったコンテストなどの充実もあり、お笑い芸人が披露するネタの内容もどんどん進化していき、様々なスタイルが増えた事が特徴の1つです。
漫才コンテストにおいてはいわゆる笑いの量だけではなく、技術面や斬新さなども審査される事もあり、高度な質が求められています。
現代のタレント業界の特徴として、バラエティ番組での対応力が売れる要素の1つとされています。
コメントの内容や、出演者たちとのやりとり、ワイプなどでの表現力など様々なポイントが人気の指標ともなります。
したがって先述のようにコンテストで優勝した芸人でも、バラエティ番組などでの対応が不得意な場合、タレントとして売れないといったケースが見受けられます。
ネタの評価が高く、大会で優勝するような実力の持ち主であっても、タレントでは日の目を見られない事もあります。
テレビ番組ではアイドルや俳優が本業の者などが、キャラクター性などを活かして笑いを誘う役割となっている傾向もあります。
お笑いタレントがテレビで活躍するには、メディア向けのキャラクターなどが必要となるとも言えるでしょう。
この事から近年の芸人は何かに特化した知識があったり、モノマネなどテレビ向きの芸が求められています。
本来の漫才やコントなどネタの質が評価されている芸人は、活躍の場をライブや舞台などが中心となる場合があり、ファンの熱量も非常に高いといった特徴もあります。
お笑い芸人は以前のようにテレビ番組で活躍するだけではなく、幅広い場面で笑いを提供しています。
最終更新日 2025年6月9日