⒈破魔弓とは
破魔弓は、男の子が生まれた両親あるいは祖父母から手渡される贈り物の一つになります。
弓になりますので、時代が古いことは理解できるはずですが、歴史的にみると鎌倉時代から始まった伝統的な文化になります。
これは、鎌倉時代の武士が的に向かって弓を放つ夏流鏑馬などが有名ですが当時から既に弓矢もありました。
なぜこのようなものが現代まで伝わっているかといえば、弓は邪悪を懲らしめるからとされています。
魔よけの的な意味もあり、子供が成長するに当たり邪悪なものがとりつかないようにと孫や子供に贈るのが習慣になったわけです。
ただ、いくら鎌倉時代といえどもこれが庶民に浸透していたわけではありません。
鎌倉時代の中でも、比較的裕福な家庭つまり貴族などが中心になって行われていただけです。
本格的に贈り物として活用されたのは、戦後になるでしょう。
もともとこのようなものは、鎌倉時代だからこそ意味があったといえます。
もう少し広く考えれば、医学が発達する前の明治時代ぐらいまでこのようなものが頻繁にもちいられていたと考えても矛盾もありません。
金額もそれなりにしましたので、裕福な家庭でしか購入することはできませんでしたが、昭和の初めぐらいは小さな子供でも命を落とすことが多かったためこのようなものが魔除けとして発達したわけです。
当時は、疫病などがはやっており今の時代でいえばインフルエンザが流行しているようなものです。
現在の場合は、病院に行って薬などを処方してもらえば大抵数日で熱は下がり外に出られるようになります。
発病から六日ぐらい経過すれば十分に動くことができるほどです。
このように考えると、病院がなかった昔の時代は多くの子供たちがなくなってもおかしくないといえるでしょう。
現在でも、大きな病気にかかってしまった子供はなくなってしまいますので医療水準が低い昔ならば高熱が出る病気でもなくなってしまう可能性があるだけです。
⒉破魔弓の種類と値段について
現在は、お店に行くと置かれている破魔弓ですがこれにはさまざまな種類があります。
基本的にはどの商品でも同じように見えますがその品質によっては金額が全く異なるといえます。
例えば、プラスチックを素材に作っているやすいものならば\10000程度で購入することは不可能ではありません。
ある程度装飾がされているものならば\20000ぐらいはするかもしれませんがそれ以上高いものはなかなかありません。
一方で、素材がしっかりしており木でつくられているものに関しては\50000から\70000ぐらいするものも多いです。
なぜそれほど金額が高くなるかといえば、樹木を加工するのはプロの腕前でないと難しいからです。
場所によっては一つ一つ手づくりでつくられており、手間などを考えるとそれぐらいの料金になっても仕方がないと言います。
プラスチックの場合は、加工が非常に簡単で量産できますので安い金額で販売できるわけです。
どちらがよいかといえば、あとは価値観の問題になりますので好きな方を選べばよいわけですが、長く飾り続けたい場合には木を削って作ったものがよいでしょう。
一方で、そこまでこだわりがない場合にはプラスチックや樹脂などを素材にしているもので十分と言えます。
ちなみに質の良いものは漆などが塗られており人工的につくられた樹脂に比べると光沢が異なり長い間はげることはありません。
⒊破魔弓は男らしいものが販売されている傾向にある
女の子の場合には、羽子板などが有名になりますが羽子板は時代とともに形を変えてきています。
厳密に言えば、そこに描かれている銘柄が少しずつ異なっているわけです。
江戸時代ぐらいになると、歌舞伎役者などの顔がえがかれたものが流行しており浮世絵の素材などと同じようなものがえがかれていました。
しかしながら、女の子に送って飾るものに関してはそのようなものを食ってもよいかもしれませんがやはり女の子が喜ぶものを送りたいと考えている親も多いはずです。
このような背景を考えると、最近はアニメキャラクターまでは行かないまでもかわいらしい模様がえがかれたものが多くまるで羽子板とは思えないような美しさがあるものも少なくありません。
金額に関して破魔弓を購入するのと同じぐらいになりますやはり品質によって大きく異なるところです。
破魔弓の話しに戻すと、男の子の商品に関しては時代によってそれほど大きな変化はありません。
少なくとも、絵柄などがかわいくなるようなことはまずないでしょう。
どちらかといえば、男らしいものが販売されている傾向があり、これらを欲しがる人も多い傾向にあります。
内容に関しては、単に弓が一本入っているだけではなく矢も何度かセットで入っているのがほとんどになります。
昔は、男の子はこれを利用して武士のまねをして遊んだといった記録が残されていますが最近はほとんどそのようなことがありません。
そのため、ガラスケースなどに入っていることが多く実用性などはほとんど無視されたものがつくられている傾向です。
最終更新日 2025年6月9日